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平成19年9月8日付日経新聞14面「モック10株を1株に併合」
モックが経営難にあえいでいる。資金的にもキツいらしく 現状打開策として大量の新株予約権発行を予定している。
割当先は得体の知れない香港投資会社で全予約権が 行使されれば概算で59億円の資金調達ができる。 この調達資金を既存借り入れの返済と 新たな投資に向けるとのことだ。
しかしながらこの新株予約権の内容がべらぼうに 投資企業にとって有利な条件である。 現株価の20%水準が行使価額として設定され、 全予約権が行使されれば 香港当該企業が96%以上の議決権保有者となり モックは同社の実質完全子会社になる。
ここ2年大幅な赤字に陥っており八方ふさがりの状況の中、 わらにもすがる思いでこのような行動に出たのであろう。 新株予約権発行報告と同時に中期経営計画が出された。
みてみれば何とも中身の薄い中期経営計画である。 おおよそ分析がなされておらずぶっつけで作られた感が否めない。 コンサルが顧問企業に対してこんな経営計画書をそのまま 提示したら到底フィーはもらえない。
モックの事業を俯瞰してみよう。 モックの事業は多角化されている。すべての事業が赤字である。 赤字幅が大きいのはウェディングサポート事業でこの事業がモックの 中核だけに痛い。不動産事業などにも手を出していて焦点がぼやけて しまった感が否めない。ベンチャー企業が陥りがちな多角化の罠だろう。
飲食店サポート事業は前期黒字であったがコンサルサービスの 終了などにより大幅な減収、赤字にいたった。償却前段階で 考えれば意外に堅調なのが家具販売事業であることは注目に値する。
財務面を簡単にみてみよう。 よくわからない先の投資有価証券を大量に取得している。もしかすると 長期貸付金を有価証券に振り替えたのかもしれない。 社債償還、借入金の返済などでキャッシュは大幅に減じている。 急激に借入金を圧縮しており残債は60億円程度になっている。
粗利益率が前期比10ポイントも減少しており、大幅な営業赤字に陥っている。 飲食サポート事業の減収が大きく響いているのかもしれない。 ウェディングは単価が厳しいゆえ粗利率が低下したのだろう。
貸倒も非常に多い。債権管理能力が疑われる。どこ向けの貸付なのだろうか。
手持現金は日商比7日分程度しかない。 借入金反復調達は行っているが在庫を担保にしたり 有価証券に質権設定をするなど調達余力は厳しい。 おそらく資金繰りはかなり忙しいはずだ。
大幅な赤字が続いたことから財務は相当に痛んでおり 自己資本比率は4.7%まで落ち込んでいる
経営戦略として借入金の圧縮を進める考えには賛同できる。 しかしながら、ウェディング事業と飲食サポート事業に注力するとはどうなのか。 どちらもかなりの投資を必要とする事業だ。どちらも不振に陥っており、 2事業を同時に実行していくのは無理がないか?
レストラン事業に注力しウェディング事業は譲渡するなりしたほうが良いと思う。 少子高齢化が進む中でウェディング事業に注力し生き残りをかけるのは この体力では無謀である気がする。シナジー効果があるのはわかるが、 現実的な体力を考えると危険と思える。
てこ入れを考えるのなら家具販売事業はどうなのだろうか? レストラン事業とのシナジーを考えるのなら食事をしながら家具を検討できる スタイルのレストランを経営すればよい。それほどキャッシュも必要としない 事業でもあるし、持つとすればこの2事業であるべきだ。
モックにとっては、東京進出失敗以来の大きな試練といえるだろう。 レストランはなかなかのものがあると思うし、がんばって欲しいと思う。 妥当株価について
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