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平成19年9月3日付日経新聞5面「選択はipodから亀山まで 国際分業の隠された真実 西本幸一」
シャープは日本メーカーの一つの流れであるブラックボックス化に 積極的に取り組んでいる企業である。工場内の工員も向上の全容は 知らされておらず、動作一つに対しても常に監視を受けている。 徹底した情報漏えいの防止である。 部材に関しては共同開発を行い、液晶パネルからテレビまで 一貫生産できる垂直体制を構築している。
一方アップルは製品コンセプト・設計、マーケティングを手がける だけで、製造工程のほとんどを外注している。まさに国際分業が 図られている。両者はまさに対極的だ。
ブラックボックス化というとなにやらナショナリズムの臭いがくすぶり 周辺諸国からの非難の的となる嫌いがある。 逆にアップルのような国際分業をとる企業は利益を国際分配する 企業として高い評価を受けそうだ。
しかし実態を見るとアップル及び米国内の流通業者で販売価格の 半分を取っている状態でとてもじゃないが各国に利益を 分配しているイメージは持てない。
思うに両者の製造戦略は単なる製品の質の違いによるものだと思う。 ipodは多くの模倣品が出ているように技術的に難しい製品ではない。 つまり製品技術自体の差別化が難しい。 多くの消費者はそのデザイン性やブランドイメージで購入している。 デザインブランド先行型である。
これに反しシャープの液晶技術は高度な域に達しており、 製品技術による差別化が十分になされている。 シャープがブランド価値をこれほどまでに高めることができたのは、 この技術によるところが大きい。 はたして液晶テレビが今日ほど普及する以前において、 メーカーとしてのシャープに今ほどのブランド力があったろうか。 シャープは技術先行型といえよう。

この違いが製造戦略の違いを生んでいるのであり、 国際問題を関連付けて語る問題ではないように思う。
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