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平成19年8月31日付日経新聞27面「ブランド養殖魚コスト転嫁に壁」
単なる養殖魚ではなく餌、飼育数などにこだわって生産された ブランド養殖魚が不振にあえいでいる。消費者の間で 天然魚信仰が根強くブランド養殖魚の魅力が伝わっていない。 このため価格競争に巻き込まれてしまっている。飼料価格も 高騰しているため採算ギリギリの業者が多いようだ。
魚は養殖でいくら頑張ってもブランドは得にくい。天然であること 以上のブランドはおそらくない。天然モノの牛や豚、鶏がないことに 比較して魚は特殊である。
多くの消費者が感じているのと同じように私も天然魚のほうが 養殖魚より美味しいと思っている。特に鮎は天然と養殖とでは まるで別の魚になってしまう。業者は季節を外した天然魚より 養殖魚が美味しいと言っているが、それならば旬の天然魚を 食べればよい。
天然物を超えるような味を持つ養殖魚を生産しようとする 戦略は失敗する。まず消費者に受け入れられない。 旬の天然魚は高い。多くの消費者が養殖魚に求めているのは ブランドでも味でもない。あくまで天然魚の代替品という位置づけだ。
最近は漁獲高がずっと減り続けている。天然魚は長期的に 価格上昇が見込まれる。養殖魚に求められるのは一つに 低価格性があるだろう。徹底的に価格を重視した コストリーダーシップ戦略は養殖魚において成功の可能性が高い。

しかし差別化要因としては価格だけではない。 養殖魚は天然魚と違って生産が目に見える。食の安全の 高まりからどのような餌を使ったのか、どのような生産者なのか、 などといったトレーサビリティに対応することが もう一つの差別化要因となろう。

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